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John Deacon Interview

(インタビュー・コレクションCDより)

僕にとって、クイーン・サウンドってすごくはっきり認識できるものなんですよ。たとえばあのハーモニーのせいで。
うん。

サウンドを作るときに、リズム・セクションはバンドにとってどれくらい重要な競争心をもたらしているんですか?

うーん…ハーモニーやブライアンのギター・ワークだけが僕達の際立った特徴なのかどうかは分からないな。つまりね…まあ、それが一番目立っているとは言えるけど。でも明らかに、ロジャーや僕も…そう、ロジャーのドラムはすごくいかしてるよ。良いサウンドを得るためにすごく気をつけたりなんかしてるし。ロジャーや僕には、僕達なりのプレイやキャラクターがはっきりとあるんだ。ハーモニーやボーカル、ギター・パートのハモりなんかと比べたらあんまり目立たないかもしれないけど…よく分かんないけどさ…君はいったい…ねえ、さっきの質問をもう一度繰り返してくれる? どういう意味で…

特にレコードだと、クイーンの一番の特徴はハーモニーですよね。でも僕の意見は、ハーモニーはその下に力強くてパンチの効いたリズム・トラックがあってこそ映えるんじゃないかってことなんです。そしてさらにブライアンのギターがすべてをまとめていて。

うんうん、ある意味そうかもしれない。僕達、アルバムを作る時はいつも最初の2週間を丸ごと使ってバッキング・トラックを録音するから、忘れがちなんだよね。沢山時間をかけるんだけど、その後2ヶ月くらいはオーヴァー・ダブしてるもんだから、実際どれくらいバッキング・トラックに費やしたのか忘れてしまいがちなんだ。でも僕達はその前に何度もリハーサルして、演奏する時のために、バッキング・トラックをすごくタイトにしておくんだよ。う〜ん、ここ数年で進歩してるかどうかは分かんないけど、見分け易いサウンドだと僕も思うな。

ロジャーのコメントで驚きましたよ。スタジオではあなたが一番…(?)…で責任を担っているんですってね……プロダクション関係のことにも注目していると。

ああ。

それで思ったんですが、ベース・プレイヤーというのは良いプロデューサーになり易いみたいですよね。ポール・マッカートニー、(ジョン)エントウィッスル。これは、ベースという楽器のバンドでの役割のせいじゃないでしょうか。ギター・パートがどうとか、どういうサウンドが欲しいかとかが分かりやすいのでは。

う〜ん、それは僕には分かんないよ(笑)だって僕達は、4人全員がプロダクション・サイドに深く関わっているんだもの。それと同じくらい、どうやったら良い音が出せるのか4人皆が理解しているしね。例えばフレディが何かボーカルの仕事をするとき、彼は自分が望んでいるサウンドがちゃんと分かっているんだ。テクニカルな説明が欲しいかなと思った時には、マイク・ストーンがやってくる。そうやって望みのサウンドを作り出すのが彼の役目だからさ。う〜ん、分かんないけど、たぶんテクニカルな面に少なからぬ関心があるのは、ブライアンと僕かな。デスクの操作の仕方とか、その類のことなんかにね。いつかは自分でやれるようになりたいんだ。2人とも、グラフィック・イコライザーや何かの器材をどんどん家に持ち込んでいるよ。周波数を操作して、演奏しながら何が出来るかを試したりできるんだ。そう、僕は元々そういったエンジニアっぽいことに興味があったけれど、アルバムを作る時は別にエンジニア役を買って出たりはしていないよ。マイク・ストーンの仕事だからね。プロに任せなきゃ(笑)

貴方とブライアンはもっと技術を身に付けていくんでしょうね。前に学校で学んだことは何か関係していますか?

たぶんね。ブライアンと僕は2人とも理科系の学生だった、数学や物理なんかの理系ね。僕は大学で電子工学もやっていたから、その方面にすごく興味がある。僕達、この夏イングランドに戻ったら、出来れば自分達のスタジオを建てたいと考えているんだ。もう良い時期だよ。今までいろんなスタジオで作業してきて、器材や全ての物に関して皆が満足する場所が欲しいと思うようになってね、それで僕達の欲しいものを全部兼ね備えた、使いやすいスタジオがあればいいなあって。純粋に商業用のスタジオになる予定だよ。他の皆も使えるようなね。こういうことにも興味を持っていられたらいいなって思うよ。

あなたは…(?)…についておっしゃってましたが、フレディとブライアンのコメントも併せると、あなた達はクイーンに掛かりっきりの時間が長すぎて、スタジオ等で他の人となかなか関わり合えないんですってね。

かもね、ほんと、そうかもしれない。ここ4〜5年、クイーンに丸ごと時間を取られていたからね。ファースト・アルバムに取り掛かり始めたごく初期の頃は、まだすごく未熟で、ギグをやってただけだから時間があって、レコード会社に興味を持ってもらおうと頑張っていた。でもこうして始めちゃってからは、休暇を取る時間すらないんだよ、ここ4年ほど。もう、すっごく忙しいんだ。来年か再来年あたり、時間が取れればいいなあ。バンドやってる内にだんだん持ち上がってきた色んなプロジェクトや興味を持っていることに、皆が打ち込めるようなね。大抵のグループなら、時が経つにつれてちょっと冒険したくなって、プロデュースやなんかをしたがるメンバーが出て来るもんだよ。どれくらい上手くいくかどうかが肝心だけど、上手くいかなかったらグループに戻ればいいんだし(笑)。ああ、僕達は他のグループとはあまり関わっていない。とても閉じられた空間で働いているんだ。それに、びっくりするかもしれないけど、他のグループに会うことはほとんどない。今回のツアーのシン・リジィなんかは、ようやく知り合いになれたけれど。それ以外だと、去年僕たちが会ったグループって1つか2つのサポート・グループくらいだよ…おととしはカンザスだったっけ…

シン・リジィとはそれまで全く親しくなかったんですか?

ああ…びっくりだよね。僕達はあんまり気配りしないし、演奏するんでもなけりゃ、スタジオに行くのも稀だし。とても変なんだけどね。

そういうことは、バンドにとって損かもしれないと思います?

たぶん、たぶんね。分かんないけど。僕達はある意味で偏屈なグループで、自分達のことだけやってればいいやって思っている部分があるからなあ。フレディは去年、ちょっとしたプロデュースの仕事をしたんだ、去年。シングル1枚だけなんだけどね、数日間詰め込み作業していたよ…彼、このこと言ってた? そう。でもその程度のことくらいしか出来ないんだよね。

ロジャーはバッキング・ボーカルに借り出されたことがあるとか?

うん、彼はいくつかやってるよ。時々変わったセッションに出てる。大抵はパーカッションを担当しているけど。出歩いてることが多いな…

フォックスともやってましたよね…(?)…ロジャーが…

うん、ちょっと聞いたことがあるよ。去年、作業してるスタジオが一緒だったんだ。ロンドンのサーム・スタジオなんだけど、そこにいたケニー・ヤングって奴と出会って、ちょっとばかり親しくなったって彼から聞いたよ。うん、それで、誰かに頼まれたんだろうね。去年のイアン・ハンターの時もそうだった。僕達は去年、ニュー・ヨークで彼にばったり会ったんだ。アルバム「流浪者(ながれもの)」を作っているスタジオへ行って、一緒にレコーディングしたんだよ。すごく妙な感じだったけど。歌ってくれないかってことで、フレディ、ブライアン、それにロジャーがある曲でバッキング・ボーカルを入れたんだ。で…どうかなあ、今年は誰に会って、誰に何を頼まれるかは分かんないよ(笑)。トロントでまたイアン・ハンターに出くわす可能性はあるけどね。今年彼は丁度そこで2枚目のアルバムを作ってて、そのプロデューサーが、僕達の最初の4枚のアルバムを担当してくれたロイ・ベイカーなんだ。だから行ってみなくちゃ。また歌ってくれと言って、表紙に名前を載せようとするかもね、売上を伸ばすために(笑)。

ロイ・ベイカーはいくつかの仕事でプロデュースを担当していますね。…(?)…クイーンがまとめ上げて発表してきた方法は、今のビジネスの方針からすると控えめだと思いませんか? もっとキャンペーンを盛大にやった方が良かったとか。僕はEMIの報道資料を受け取っていないんですよ。他のバンドのならあるんですが…何だこれは?っていうようなものまで…

う〜ん…

ところが人々が興味を持ち、見たいと思っている、サポート・バンドを引き連れたギグを行うようなバンドは無視しているんですよね。

ああ。う〜ん、分かんないけど、僕達が出てきた時のことだね、ニワトリが先かタマゴが先かというのと同じレベルで、成功か、手ごろなサイズのギグをして、お客に見に来てもらうか…。う〜ん…分かんないや。奇妙なことだよね。僕達はそんなに高いレベルにいたわけじゃない。だって、ファースト・アルバムは特に成功したとはいえなかったし。僕達はクラブやパブでのギグはしたくなかった。グループ内で、特にフレディだったと思うけど、僕達のショウはそういう場所でやる類のものじゃない、もっと大きなシアター級の場所でないとって考えていたみたいなんだ。パブやクラブなんかで演奏すべきじゃないって。でも今イングランドでは、それに逆行するようにパンクが起こってきてるんだよね。

貴方達と同じようなアプローチのバンドがどんどん出て来るのに気づいたからなんですけど、

うん。

おもしろいなと思うのは、もし色んなバンドがそういったアプローチをしていくとしたら、クラブ・シーンというのは完全に終わりに近づいていくわけですよね。

いやいやいやいや。そのアプローチじゃ今はそれほどうまくいかないんじゃないかなあと僕は思うよ。分かんないけど。たとえばローン・スターみたいなグループのことだろ? 今彼等はどうしてるのか知らないけど…でも…

フォックスもたぶん…

うんうん。今はそういったやり方が良いとは思わない。むしろパブやクラブにいた方がいいんだ、ロンドンじゃまだすごく活気があるんだから。僕はよく足を運んで、風変わりなグループに会うよ。ああいう環境の中で見るのが好きなんだ。うまくはまっててさ。

バンド内で積み上げてきたものを上手く表そうとする時のプレッシャーって感じます?人々が期待しているし…たぶんもっと…

どういう意味? レコード? それともステージでってこと?

えーっと、僕はこんな風に思ったんです。最初に貴方達が世に出た時、まだツアーもレコードもなかった時と、もっと最近のことを考えてみると、大きな違いがあるんじゃないかと。ヒットする度に固定のオーディエンスみたいなのが出来るわけで、そういうのってすごくプレッシャーになるんじゃないかと思うんですよ。何故ならある意味、みんなの望むようにやらなきゃならないし…

う〜ん、そうだね。徐々にそういうことになってきてるのかどうか、僕には分かんないよ。丁度こっちでボストンが突然、大規模なギグをやったのを知らなかったのと同じだな。

彼等はサポート・バンドとして始めて、2度くらいやっただけで、一度もツアーに出てなかったんですよね。

ヘッド・ライナーだよ…。本当に大規模だね。僕達には出来なかったことだ。僕達はもっとずっと低いレベルから始めて、ファースト・アルバムを作り始めた頃なんか、ギグもあまりしなかったもの。やっても小さな場所、大学かなんかでさ、数百か千人くらいのキャパしかないようなところ。それからイングランドで、クラブ・ツアーって呼んでいるものをやったんだ。ちょうどセカンド・アルバムが出た頃にね。国中のクラブを回ったよ。500以上あったかな。かなり小規模のギグだった。きっかけ作りをすべきだと思って、ツアーをしていた。で、その次の英国ツアーは2000人くらい入るシアター級の場所、っていう風に、ゆっくりと進んでいったんだよ。あれよあれよという間にビッグになったんじゃなくてね。だから突然押し出されたケースとは違うと思う。ゆっくり時間をかけて良いものを作り出し、ショウを組み立ててきたんだよ。まだ2枚しかアルバムが出てなくて、作曲の量も少なかった頃だからね。つまり、全ては時間と共に成長してきてたって訳なんだ。イースト・エンドで始めてやっと注目を浴びたって具合に(笑)。

…(?)…貴方達の成長振りを見てきたからでもありますが、このロックはもはや音楽に留まらない、エンターテインメント業界全体といえるんじゃないでしょうか。ビデオとか、色々なミキシングの仕方とかを見ていたら。60年代、70年代のロック・スターは、人々が最も興味を抱くアイドルとして、40年、50年代の映画スターを凌ぐように思えるんです。

うん、多くの部分でね。僕達はごく初期からヴィジュアル面のことを考慮に入れてきたよ。元々僕は新参者で、僕が入る6ヶ月前くらいからバンドは何人かのベース・プレイヤーと一緒にやっていた。僕はロンドンの大学にいたんだ。その当時から、彼等はステージでは基本的に黒い衣装で統一していた。何を着るかっていうことのアイデアの多くはフレディのものだったと思うな。最初の頃から、ショウで何を着るべきかテーマがあったんだよね。で、年々少しずつベストの状態になってきてるわけ。

ところがフレディはですね、以前僕はこんな批評を読んだことがあるんですが、そこには…クイーンのステージはひどく下卑ている、照明から何から、あらゆるものが演出されているというようなことが書かれていました。フレディが歌っている側にタンバリンが待機していたとか…僕はただギグ全体のことが知りたいんですけど…

うん。

で、ロジャーに聞いたところ、下卑ているという言葉は間違っている、あれはプロフェッショナリズムなんだとのことでしたが、貴方もそう思いますか?

ああ、それは本当さ。毎晩のショウがパーフェクトだなんて言うつもりはないけれどね。

でも、…

うん、リハーサルがなされたショウだよ。劇場で見る芝居と同じさ。全てがあるべき場所にあって、何もかもうまく機能するように出来ている。役者がセリフを覚える以上かもしれないな。演奏は毎晩違ってくるからね。でもたとえショウが基本的にリハーサルされたものだとしても、照明やデザインなんかは全部、音楽と調和するように工夫がなされているんだ。そう、音楽の質を高めるためだよ、全てね。

ところで、ロック・ミュージシャンは今やミュージシャンに留まらず、エンターテインナーになってきたという話に戻りましょう。今日の音楽は後々まで長続きするでしょうか? それとも単に世間に定着させようと我々が触れ回っているだけのことだと?…どうなると思います?

僕はしばらく持つと思うな、うん。半端じゃない現象だよね。レコードはどんどん売れてるし。僕たちの世代の大半が、この10年間ずっとプレイし続けることは確かだよ。同じように…

…20年たっても、ずっとオリジナルのままでやってるんじゃないでしょうかね…?

長続きする者たちもいるだろうね。主に、ビートルズなんかそうじゃないかな。彼らの音楽は持ちこたえるよ。

それを最初に聞こうと思ってたんですよ。ビートルズは皆さんが特別視していますよね。

うん。彼らの曲は長続きする良質なものだよね。分かんないけど。

どういった曲がでしょう?

分かんない。はっきりしてるんじゃないの。分かんないよ。

ロックが企業化するまでになってきたことは、厄介なことでしょうか?

多少はそう思ってきたよ。でも的外れのことじゃない。イングランドでのパンクなんかは、それに反抗してのことで、それはそういう方向に進みすぎてるからだろうな。でもその反面でね、実際に外へ出てショウをしようと思ったら数千ドルかかる。なぜって器材や照明やらにお金がかかるんだ。ただ行ってプレイするだけって訳にはいかないもの。これはある意味すごく大変なことさ。一旦そういうレベルに達したら、ずっとそうやって暮らしてかなきゃならないから。そこには沢山のビジネスが介在してきて、無視するわけにはいかなくなっちゃうんだ。目を光らせとかないと、だから…

円循環ですね。音楽がビジネスを形成し、ビジネスが音楽を形成する、と。

う〜ん。

もし、人々がエンターテインメント目的でコンサートに来るとしたら? ショウ以上のもの、ミュージック・ビデオみたいなファッションや演出のものを期待しているとしたらどうでしょう? でも一生懸命やるときに、そういうものは必要だと思いますか? 例えば、ジェネシスの話をしますと、最初の数年は独自の演出法や照明でやっていて、ゲイブリエルがある種の演出方法を探し出して、エコーなどを使い始めて、前より成功するようになりましたよね。実際そうだとすると、やはり必要なんでしょうか?

僕は…なんとも言えないな。なぜって僕達、他の人のショウを見る機会があまりないもの。もしそういったショウを見られたら、アメリカでのツアー中になにかやってみるかもしれない、しばらくの間ね。僕はまだ一度もキッスやELOを見たことがないし、ツェッペリンもその場で見たことないんだ。

彼らはビデオ製作を中断しているらしいですね。

もうすぐこっちに来るからだったりして(笑)。僕達もほんと、誰かのショウを見に行ければいいんだけどなあ。オーディエンスに混じって、見たいものをそこから存分に見られたら…でも分かんないな。僕達は偏屈だから…流行のショウがどうなのかなんて、ほとんど気にかけていないもんなあ…。

お互いに見に行ったりとかは?

ああ、うん。人々がどんなことをやっているのか、お金を払ってってことね。僕達はショウの上でもすごく孤立しているから、そういったことは…僕達が誰にも影響されていないって言うつもりはないけど。

70年代のバンドが様々なスタイルで上昇しているその成功の秘訣を、見たり読んだりします?共感することは?

別に。音楽が良けりゃいいんじゃない。

一方で最近の多くのバンドが成功していますが、そういう決まりがあるみたいですよね。ちょうど60年代を抜けた人々が、70年代のプロデュースやテクニックを有するクイーンを選び出したように。

ああ、まったく素晴らしいね…。分かんないけど。成功の秘訣なんて全く無いんだ。

これにも共感しませんか?(笑)

う〜ん。

ところで、新しい方向や物事を生み出したという点で、エルヴィスは50年代、ビートルズは60年代、そしてクイーンは70年代のバンドと言われるのは、皮肉だと思います? これはすべて、新しいグループを流行らせるための競争に加えられたのではないかと?

そんな風に考えたことはないな。他にも大物が抜けてるんじゃないかな…分かんないよ。 60年代後半から70年代前半にかけての、ツェッペリンやフーやストーンズなんかは少し下降気味かもしれないけど。だってもうずうっと長い間やってきているんだし。

「下卑た」とかいう次元で物事を言うような輩がいますが、貴方は、そういった最初の頃よりも酷くなってくるかもしれない誹謗中傷を引き受ける責任を一番担っているのは自分だと思います?

そうじゃない、そうじゃないと思うよ。つまりね…

…昨晩のことは知らなかったので、驚きました。

うん、僕たちは生でプレイしている訳だから、いつも色々違ってくるんだ。まあ、そういった印象を与えないように祈っているよ。とにかく、僕はそうじゃないから(笑)

貴方達がマジソン・スクエア・ガーデンでプレイしたことに触れている人がいましたが、…(?)… 活力を与えてくれるものですよね。…(?)…もし、クイーンが解散したとしたら、あなたは別のバンドに入るつもりですか?

いいや、僕は別のバンドに入ったりはしないよ。つまり、僕達は全員が何らかの形で音楽業界に関わっていて、まあそうやって生計を立てている訳なんだけど、やりたいことはみんなやってきてる。その時がまだまだ来ないとはいえないかもしれないけど、僕達は今まで通りグループとして同じようにやっていくんじゃないかと思うよ。

想像してみるというのも駄目ですか?

(笑)いや、分かんないけどね。僕は別のグループに入るつもりはないんだ。個人的に、ソロ・アルバムとか、そういった類のことをやるつもりもないし、なぜって僕は…う〜ん、すごく難しいことなんだよね。グループ全体として、密接して生きてる一個人としてはね。本当に難しいことだよ。めったに起きないことだけど、たとえばフーやストーンズのビル・ワイマンやエントウィッスルがソロを出すみたいなものなんだ、つまり、あんまり聞いたことないんだけど…でも…

ビル・ワイマンはそれほどやってませんよね。

いや、僕が言いたいのは音楽的にどうかってこと。

それならOKですよ。テンポが早い感じで。

そう。彼、作曲もしてるの?

ええ、何曲かは。

長い間仲間と仕事をしていれば、そのうちの誰か、或いは何人かは、いつか自由になって何かやってみたいって思うもんだよ。他の皆もそうじゃないかな。僕達がクイーンとして仕事をするときは、共同作業でないと駄目みたいなんだ。誰かに認めてもらえないとね。ところが、グループ内の皆に気に入ってもらえるようなアイデアを考え出したとしても、なかなか発表できない。なぜって、いいかい、アルバムは年に1枚だからだよ。作業に丸ごと1年費やして、10ないし12の曲を入れるわけだから、自由な場が与えられない場合だってあるんだ。4人の個性が集まればどんなことも可能だろうさ。つまり、僕達は全員がクイーンのアルバムに貢献している。でも、時間は2倍かかっているかもしれない。自分自身のことは分からないけれど、他の誰かが外で別の仕事をする場合、その仲間内での共同作業というのがあるから、多分他でも同じようなものなんじゃないかなあ。もしかしたら、たとえばプロダクション・サイドのことなんかの仕事をしないほうがいいのかもしれないって思うこともあるんだけどね。

バンドがスタジオの中にある他の楽器を使うのはともかくとして、ソロ・アルバムの際にグループ内の誰かを使うという状況にはいつも困惑するんですよ。

う〜ん。

1人ないし2人のメンバーを使うということの意味って何なんだろうなと。ロイヤリティですかね。

う〜ん、そうだね。ある種のエゴかも。アルバムを出す時の。

必要ないように思えるんですが。

ブライアン・フェリーがそうだよねえ? ロキシーにいるのに新しいソロ・アルバムを出して、ポール・トンプソンやジョン・グスタフソン、その他のメンバーを使うんだもんねえ。

今度のツアーで新人を入れたみたいですよ。

そうなの? そうなの? まだ?

ポール・トンプソンを使うみたいですが。

そうなんだ。ミスター・フェリーはともかく、トンプソンはロキシーの一部だったのにね。今じゃまるでフェリーのバンドのドラマーみたいじゃない。ある意味…(?)…

...(?)...

何故って、クリスマス前にイングランドでツアーってのがいつものパターンだからさ。イングランドから始めて、こっちに来るんだよ。うん、イングランドが最初。

ツアー前に新作を出していますね。

そろそろお開きかな…今回は先に言っちゃった(笑)良かったよ、満足してる。楽しかった。

握手して貰えます?

オーケイ。ありがと。

(インタビュアー:Jim Kozolowski)


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