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★☆ディークス君のレパートリーの巻☆★

1年ほど前(2000年)、「ジョンは若い頃どんな種類の曲を聴いていたんですか?」と尋ねられたことがある。「えーっと、60年代流行りのポップにソウルにタムラ・モータウン系の曲、ですかね。あと、ビートルズとか…」型通りの答えを返したのもの、何か奥歯に物が挟まっているような気分になったのは、当時の音楽なんてほとんど耳にしたことが無かったせいである。(だってぇ、若いんだもん、生まれてないんだもん)

でもやっぱりそらアカンやろと思って、彼のオードビー時代のバンドがカヴァーしたミュージシャンを参考に、いくつか集めてみた。(「バンドでやってた=お気に入り」とは限らないのだが、嫌いなものは演奏しないだろうという理屈。)当時のヒットチャートを賑わせていたバンドが大半だと思われるが、後年の「ロックらしくない曲」好きに通じるものも垣間見られて興味深い。そしてやはりというかなんというか、暗い曲というのは存在しないのだった。


なくても困らない解説

The Kinks Best ザ・キンクス(The Kinks)
64年にデビュー、今なお現役という怪物バンド。(80年代後期のアルバムも買ってみたが、印象は薄かった。)中心メンバーのレイ・デイヴィスがタダモノでないらしい。英国風ユーモアたっぷりの歌詞、とぼけた風味のヴォーカルが結構面白い。ベースはたいして目立っていない。
Yardbirds greatest hits ヤードバーズ (Yardbirds)
エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックが在籍していたことで有名なのは知っていたものの、曲を聴いたのはこれが初めてだった。ギターはうまいのかもしれないが、ボーカルの力の抜け具合がトホホ。故にカヴァーに最適だったのか?
Zabadak! The Best Of Dave Dee,Dozy,Beaky,Mick & Tich Dave Dee,Dozy,Beaky,Mick & Tich
日本では知られているのかどうか不明だが、66年・67年・68年のUKポップチャートの上位を占めていたのが彼らである。映画「大いなる西部」のテーマ曲をもじっていたり、大陸的な底抜けの明るさ(軽さ)が売りのようだ。しかしこの人名を並べただけのバンド名はあまりにもイケてない。
The Best Of Sam & Dave サム & デイヴ (Sam & Dave)
ディープ・ソウルというジャンルに属するらしい、本格派おっちゃんデュオ。型破りなステージングが有名だったそうだ。ティーンバンドのレパートリーにするには渋すぎ。2人の歌声に絡み付くベースの踊り具合とハマリ具合は後の『マイ・ベスト・フレンド』に通じるものもあり、当時のジョンのお手本だったのではないかと思われる。
The Mason Williams - Phonograph Records フォノグラフ・レコード/メイソン・ウィリアムズ (Mason Williams)
オマケその1。ある時ジョンはアコギでこの中の『クラシカル・ガス』をこともなげに弾いていてギタリストのデイヴ君を唸らせたらしい。大人の匂いのする渋めのフレーズなので確かに惚れちゃいそうだ(デイヴ君は惚れたわけではない)。コージー・パウエルの「ザ・ドラムス・アー・バック」では元イアン・ギラン・バンドの人のギターでこれが聴けるが、こちらはドラムが賑やかだ(コージーだし)
Deep Purple - In Live Concert At The Royal Albert Hall ライブ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール/ディープ・パープル(Deep Purple)
オマケその2。このコンサートをジョンは郷里の友人2人と一緒に生で体験している。帰りの車中では興奮してこの話ばかりしていたというから、よほどインパクトがあったのだろう。生でしか分からない感動もある。ちなみに85年の来日時にもわざわざ武道館へ彼らのライヴを見にいっているので、パープル2期の面子が好きなのかもしれない。

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